考え方

【親の期待】親の言うことって、そんなに大事?【決定権は渡すな】

written by じん
【親の期待】親の言うことって、そんなに大事?【決定権は渡すな】

「この中高一貫に行かせたい」「医学部に行ってほしい」「医院を継いでほしい」。 医者って、親の敷いたレールの上を歩いてきた人がほとんどだと思う。もちろん、俺も。

で、どこまで聞けばいいんだろうな、あれ。

子供にとっては、親の言うことが"全て"だった

夕暮れの家の窓明かり

まず、断りにくい理由から。 子供にとっては、親が言うことが全てだ。それ以外の世界を、知らない。 親の地図しか持ってない子供が、親の指す方向に歩くのは、当たり前のこと。

そもそも、中学・高校までの教育は、100%親のエゴだと俺は思ってる。 私立か、公立か。中高一貫に行くのか。男子校か、女子校か、共学か。——ここに子供の意思が入る余地は、あまりにも少ない。 だとしたら。自分が医者になったのも、親のエゴだった可能性。一度くらい、疑っておいた方がいい。

そして大人になっても、その重力は残る。 「親を悲しませる選択」は、それだけで罪悪感がついてくる。この罪悪感こそが、進路選びを狂わせる最大のノイズだと俺は思ってる。

親の地図は、親の時代の地図

古びた地図

でも冷静に考えてほしい。親があなたに渡してくる地図は、親が生きた時代に作られた地図だ。

「医者になれば安泰」「大きい組織にいれば安心」「専門医を取れば一生もの」。 どれも、30年前ならたぶん正解。今は? 給料は構造的に上がりにくくなってるし、パターナリズムは淘汰されて患者さんの立場が上がり、医療はどんどんサービス業になってる。キャリアの選択肢も働き方も、親の時代とは別物だ。

父が若手だった頃の話を、聞いたことがある。当時のつらい検査は、鎮静なしでやるのが当たり前。 「若い先生なんですね……」と不安げな患者さん。「じゃあ、検査やめときますか?」「いやいや、先生お願いします」——そんなやり取りをしながら、手技を覚えていったらしい。 今じゃ考えられない。でも、本当の話。医療の"当たり前"は、一世代でそれくらい変わる。

古い地図で新しい街は歩けない。親が悪いんじゃない。地図が古いだけ。

もちろん、親が心底幸せそうで、何不自由なくて、「自分も同じ人生を歩みたい」と心から思えるなら、それでいい。そのまま親の地図で歩けばいい。 そうじゃないなら——親にとっての"普通"や"当たり前"を、疑え。 別の地図は、自分で描くしかない。

【解決策】従うか逆らうかじゃない。「参考意見」に格下げしろ

テーブルの上のコーヒー二杯

ここで多くの人が、「従う」か「反抗する」かの二択にしてしまう。どっちも親が主役の構図で、実は同じ穴。

俺の提案はシンプル。親の声を、"決定権者"から"参考意見"に格下げする。 無視しない。ちゃんと聞く。「そういう見方もあるか」と地図の一枚として受け取る。でも、最終決定のハンコは自分が持つ。

親孝行は、親の言う通りに生きることじゃない。 自分の人生を機嫌よく生きてる姿を見せることだと、俺は思う。

【結論】親は、あなたの人生の責任を取れない

一人で歩く長い道

最後に、いちばん大事なこと。

親の期待通りに選んで、10年後にしんどくなった時——その毎日を生きるのは、あなただ。親じゃない。 当直するのも、外来に立つのも、朝起きて「行きたくない」と思うのも、全部あなた。

それに——確率論の話だけど、親があなたより長生きする可能性は、非常に低い。 50歳、60歳で親とお別れして、自分一人が残された時。「俺、自分の人生を歩んでなかったんや。ずっと親の期待に応えるために生きてきたんや」って気づいても、あまりにも遅すぎる。もう涙、止まらんで。

責任を取れない人に、決定権を渡すな。 親の言うことは、大事だ。でも、あなたの人生より大事なものじゃない。

あなたの進路の何%が、心からのあなたの意思だったんだろうか。


※家庭環境や親子関係は人それぞれです。本記事は一般論としての個人的見解です。

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